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アジアの妖怪【足長手長】伝承や物語・正体を考察!

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「足長手長」とは、日本だけでなく中国にも伝わっている妖怪です。

一体で手足が長いのではなく、足の長い「足長人」と手の長い「手長人」の二人セットの呼び方です。

また、福島県では会津地方で語られており、足長と手長は夫婦で人間に悪さをしていたとされています。

「足長手長」の伝承

足長人は「足長国」、手長人は「手長国」の住人であると言われており、それぞれ手足が体格に見合わない程長いと伝えられています。

仲は良いらしく、海で漁をする際には足長人と手長人がペアを組んで行っていたとされています。

中国では「山海経」という地理書に記されており、それぞれ「長股(ちょうこ)」「長臂(ちょうひ)」という名前で異国の人物として紹介されています。

福島県では夫婦の妖怪として磐梯山に居座り、大雨を降らせて農作物をダメにして人々を苦しめたと言われており、弘法大師によって退治されています。

「足長手長」の物語

福島県に伝わる話では、会津地方に夫婦で居座り多くの人々を困らせていました。夫の足長はどこまでも届く長い足、妻の手長は座ったままどんなに遠い場所でも物を掴める長い手を持っていました。

ある時、足長は磐梯山から足を伸ばして雲をかき集めました。会津の人々は急に空が暗くなったので慌てていると、次は手長が猪苗代湖の水を掬ってそこらじゅうにバラ撒きました。

撒かれた大量の水は大雨となって村に降り注ぎ、畑や農作物をダメにしてしまったのです。農作物が育たず苦しむ農民達の様子を足長手長夫婦は笑いながら楽しみました。

そんなある日の事、みすぼらしい法衣を纏った「弘法大師」というお坊さんが村にやって来ました。村の悲惨な状況を理解した弘法大師はこの邪悪な妖怪を退治しに山へ向かいました。

頂上に着くと、大師は大声で足長手長を呼び出したのです。旅の僧を嘲笑う妖怪に対し、大師は「お前らは何でもできると思い込んでいるようだが、どう頑張ってもできない事がある。」と捲し立てたました。

妖怪達は「なら何ができないか言ってみろ。それを我々ができたらお前を喰ってやるからな。」と言いました。

大師は小さな壺を取り出すと、「この中に二人で入れ。」と言いました。妖怪達は簡単な事だと笑いながら壺に入っていくと、この機を逃さず大師が壺にフタをしました。

妖怪達は出ようとしましたが、壺はびくともしません。この小さな壺には大師の法力が込められていたため、妖怪には開ける事ができなかったのです。

勝負に負けてすっかり大人しくなった妖怪夫婦に大師は言いました。「お前達を山の神として祭るから、今後は人々のために尽くし、働くのだぞ。」こうして足長手長は退治されたのでした。

また、足長には別の話も伝わっており、「甲子夜話」という江戸時代に書かれた書物に記されています。月の綺麗な夜にある武士が海釣りを楽しんでいたところ、約2.7mもある足を持つ何かが海辺をさまよっていたそうです。

すると、天気が急変し、土砂降りになってしまったと伝えられています。武士の従者はこの存在を知っていたようで、これは「足長」という妖怪で、これが出ると必ず天気が変わってしまうと語ったそうです。

「足長手長」の正体

異国の存在あるいは妖怪であるとしか言いようがない部分が多い足長手長ですが、何かの様子を誇張しただけだとしたら私は漁師とその妻だと思います。

日々の漁で泳ぎも体も鍛えられている漁師が妻を背負う事くらい簡単です。銛や網で取れた魚を手作業が得意な妻が素早く外して漁獲する様子を足が長い、手が長いと誇張に表現したのではないでしょうか。

そして、福島県に伝わる足長手長は恐らく大雨等の悪天候を妖怪化した物だと思います。悪天候の恐ろしさは日本だけでなく海外でも神話等で伝えられるケースも多く、例として龍神・イルルヤンカシュは嵐や津波等を司り、主神ですら圧倒する話が残っています。

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