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日本に根付く妖怪【鬼】伝承や物語・苦手なもの・正体を考察!

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「鬼」とは、日本中に様々な伝承が残る妖怪で、人型で角が生えた頭と逞しい肉体を持っています。

その強さや大きさから「鬼に金棒」等の諺ができたり「オニヤンマ」等の大きな生き物の名前にあてがわれる事もあり、日本の妖怪の中では最もポピュラーな妖怪です。

「鬼」の伝承

鬼は虎皮の腰布を身に付け、頭に角を生やし、ちりぢりの髪と鋭い爪と牙、逞しい人型の体を持つ姿で描かれています。また、その体色によって赤鬼、青鬼等と呼び分けられる事もあります。

鬼は人を喰らう等の害を為す話が多く、特に地獄では閻魔大王に仕え、亡者達に責め苦する「獄卒」という鬼もいます。人間界に現れて人さらいをする話もあり、人々の恐怖の対象になっていました。

しかし、人を守る事もあったため地域によっては神として祀られている所もあります。

「鬼」の物語

鬼はあまりに多くの伝承があるため、ここでは「一条戻橋」の鬼の物語をご紹介させていただきます。

「平家物語」には「源頼光」に仕える四天王の一人に「渡辺綱」という勇猛な武士の話が綴られているのです。

ある日の夜中、渡辺綱が戻橋のたもとを通りかかった時の事、橋にはとても美しい女性が立っており「夜更けで暗くて怖いから家まで送っていただけませんか?」と頼んできたそうです。

渡辺綱は「こんな夜更けに女性が一人で?」と疑問に思いながらも女性を馬に乗せてあげたところ、女性は忽ち恐ろしい鬼に姿を変えて襲いかかってきました。

渡辺綱は咄嗟の判断で鬼の腕を切り落とし、大事には至らなかったようです。その腕は持ち帰って屋敷に置いていたそうですが、鬼が彼の義母に化け、屋敷への侵入を許したため腕は取り返されてしまったとされています。

また、この鬼は陰陽師・安倍晴明の式神という説もあり、元々屋敷で使っていたものの、奥様に「顔が怖い」という理由で嫌がられてしまったため一条戻橋に隠すように置いていたそうです。

これが本当だとしたら大分厄介なものを置いていった事になります。最優陰陽師なのだから、せめて躾くらいはできなかったのかと考えてしまいます。

「鬼」が苦手な物

人に害を為す鬼ですが、意外な物で撃退できてしまう妖怪でもあります。

臭いがキツイ物、尖っている物、イワシを焼く時の煙が嫌いとされており、ヒイラギの葉とイワシを使った「柊鰯」を節分の日に玄関先に飾る事で鬼を撃退したそうです。

また、節分の豆まき自体は平安時代に宮中で行われた「追儺」「鬼遣」という行事であり、一年の変わり目でもあるこの日に鬼が悪さをすると考えられていたため、悪い鬼を祓いつつ古い年を送り、新しい年の良い気を呼び込むために行われたとされています。

ちなみに豆は「魔を滅する」に通じ、五穀の中でも米と豆は神聖な力が宿ると考えられていたからだそうです。

「鬼」の正体

様々な伝承が残る鬼ですが、「鬼」自体は「死者の魂」を意味しており、「隠(オヌ)」から来ているという説もあります。

そのため満たされぬ飢餓に苦しむ亡者の魂を「餓鬼」と呼んでいます。

様々な魂が様々な鬼な訳ですから、良い鬼と悪い鬼がいても間違いはなさそうです。

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